Make or Buy判断
ソフトウェアや機能を自社で開発(Make)するか、外部サービス・ベンダーから調達(Buy)するかの意思決定フレームワーク。
判断の核心軸:コアコンピタンスかどうか
最も重要な判断軸は「その領域が自社のコアコンピタンスかどうか」。
コアコンピタンス領域 → 内製を検討
- 差別化の源泉であり、外部依存すると競合と同質化する
- 継続的に進化させ続ける必要がある
- ドメイン知識がコードベースと組織に蓄積される
非コア領域 → 外部調達を検討
- 「正しくやる」ことが重要で差別化の源泉ではない
- 内製にリソースを割くより、コア領域に集中した方が合理的
内製が有利な条件
- 継続的進化が競争優位になる - 週次・月次で改善サイクルを回したい
- 自社データだけで完結する - 外部との接続・ベンチマーク不要
- エンジニアリング組織がある - AI時代はさらに内製のコストが下がる
外部調達が有利な条件
| 価値 | 理由 |
|---|---|
| ネットワーク効果 | 他社も使っていること自体が価値(ベンチマーク、業界標準等) |
| 規制・コンプライアンス | 専門家が常にウォッチしている安心感 |
| インテグレーション | 連携先APIへの対応コストを多数顧客で分散 |
| 運用・信頼性 | 24/365 監視・SLA保証を自社で担うコストが高い |
| 初期コスト | 今日契約して今日使える即時性 |
AI時代の変化
AIによる開発コストの低下は、内製の閾値を下げる。これにより「エンジニアリング組織を持つ企業はコア領域を内製に移行する」という二極化が進む可能性がある。
ただし、内製化できる企業とできない企業の格差拡大という新たな課題が生じる。SaaS の「ソフトウェアの民主化」機能がどう維持されるかは別途の論点。
関連
- コアコンピタンス - Make or Buy 判断の核心軸
- ネットワーク効果 - 外部調達が有利になる条件の一つ
- 代理指標 - SaaS プライシングにおけるシート数の役割
- AI時代のSaaSプライシングと競争優位 - Make or Buy の詳細な分析